ESGリースについて
省エネ性能に優れた脱炭素機器のリースでの導入時には、国の補助金制度がご利用いただけます。
制度の概要
脱炭素機器のリース料低減を通じて、ESG要素を考慮した取組を促進し、サプライチェーン全体での脱炭素化に貢献する中小企業を支援します。
制度の仕組み
- 適格要件を満たした中小企業等が脱炭素機器をリースにより導入した場合に、当初リース契約期間の総リース料(消費税及び再リース料を除く)の1~4%の補助金を指定リース事業者に対して交付します。更に、ESG要素を考慮した優良な取組には、1%上乗せします。また、リース先(中小企業等)及び指定リース事業者の両社がESG要素を考慮した優良な取組を行っている場合、極めて先進的な取組として、2%上乗せします。
- 予算額は13.25億円(令和5年度予算事業)。
補助率イメージ
ESG要素を考慮した取組の有無 | |||||
---|---|---|---|---|---|
特に優良な取組 (1%上乗せ) |
極めて先進的な取組
(2%上乗せ) |
||||
取組の 実施主体 |
リース先(中小企業等) | 基準補助率
(環境省が定めた 製品別補助率) |
有 | 無 | 有(1%) |
指定リース事業者 | 無 | 有 | 有(1%) | ||
補助率 | 1~4%:① | ①+1% | ①+1% | ①+2% |
- 補助金申請は環境省から指定を受けた指定リース事業者が行います。そのため、リース先では補助金申請の手続きは必要ありません。
- リース先のESG要素取組方針の証憑を提出する必要があります。
- 本制度の利用を希望するリース先は、リース物件の補助対象機器の基準適合確認資料を添付したESGリース促進事業補助金利用申込書を指定リース事業者に提出する必要があります。
- 補助金は指定リース事業者に交付されますが、リース契約時に補助金全額をリース料低減に充当するという内容の特約等を交わすことが条件となります。
- 本制度では導入機器によるCO₂削減量等のモニタリング報告は必要ありません。
一般社団法人環境金融支援機構は、環境省から補助金交付事業を行う補助事業者として、
公募手続きにより採択された事業者です。
利用要件
A. 対象となるリース先
- 個人事業主、中小企業であること。中小企業は、以下のいずれかに該当するもの。
- 中小企業:資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社法上の会社。
- 厚生労働省受療行動調査における病院の表章区分の中・小病院(但し、療養病床を有する病院は補助対象先とする)及び医療法における医療提供施設の一部。
- 政府機関、地方公共団体又はこれに準ずる機関でないこと。
- サプライチェーン上の脱炭素化に資する以下の取組を行っている者とする。
要件の内容
ESG要素を 考慮した取組 (適格要件) | サプライチェーン全体として脱炭素化に向けた取組が行われており、 大企業等からの要請、支援を受け、サプライチェーン内の中小企業等が脱炭素化の取組を行っている。 |
---|---|
脱炭素化に向けた自主目標を設定し、その達成に向けて取り組んでおり、サプライチェーンの脱炭素化に自主的に貢献している。 | |
ESG要素の 優良な取組 (加点要件) | サプライチェーン全体でパリ協定の達成に向けた脱炭素化の目標を設定しており、当該サプライチェーン内の中小企業等がその達成に向けて取組を行っている。 |
サプライチェーン内の中小企業等が中小企業版SBT、RE Action等、パリ協定に整合する目標を設定し、その達成に向けて取組を行っている。または、環境経営マネジメントを通じて脱炭素化に向けて取組等行っている等、サプライチェーンの脱炭素化に自主的に貢献している。 ※パリ協定に整合する具体的目標とは削減目標として「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指す。また、2050年目標と整合的で野心的な目標として、「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減すること、さらに、50%の高みに向けて挑戦を続けていくこと」を目指す等。 |
B. 対象となるリース契約
- 環境省が定める基準を満たす脱炭素機器に係る契約であること。
- リース期間中の途中解約又は解除が原則できない契約であること。
- 解約可能であるオペレーティングリースを除くリース取引であること。
- リース期間が法定耐用年数の70%以上(10年以上は60%以上)の契約であること。ただし、リース期間が3年以上の契約であること。
- 日本国内に脱炭素機器を設置する契約であること。
- 中古品の脱炭素機器をリースする契約でないこと。
- 国による他の機器購入に係る補助金を受けた契約でないこと。
※経済産業省の脱炭素リース信用保険制度(以下「リース信用保険」)との併用は可能。 - 1リース契約の補助金の対象となる脱炭素機器部分のリース料の総額が、65万円以上、2億円以内であること。
- 補助金の対象機器の当初導入において必要と認められる据付費用、付属品等については、通常リース事業者の判断によりリース契約に含まれる範囲内において補助の対象となる。
ただし、据付費用、付属品等の合計金額は対象機器の購入価格を上限とする。
なお、メンテナンス費用、レベルアップ等による解約金等については、補助金の対象外。 - 補助金の対象機器と補助金の対象外機器の両方を含む契約も利用可能。ただし、補助金の対象機器に係るリース料のみが補助金の対象となる。
C. 対象となる脱炭素機器
- 業務部門…熱源設備(※1)、厨房用設備、空調用設備、業務用冷凍冷蔵設備、医療画像機器、分析機器
- 産業部門…建設機械、工業炉、鋳造機械、省エネ型ダイカストマシン、エネルギー変換設備、工作機械、鍛圧機械、射出成形機
- 運輸部門…電気自動車(※2)、燃料電池自動車
- (※1)熱源設備のうち、高効率蒸気ボイラおよび高効率温水ボイラの都市ガス、LP ガス以外は対象外
- (※2)搭載された電池で駆動される電動機のみを原動機とする【車検証の交付を受けた自動車】、 【側車付二輪自動車】、【原動機付自転車】、【軽自動車に該当する二輪自動車】
- 補助金の対象機器の型番情報については以下のホームページで公開している。
(医療画像機器、分析機器、射出成形機、運輸部門)ESGリースのHPアドレス▶https://esg-lease.or.jp
(上記以外)低炭素投資促進機構のHPアドレス▶https://www.teitanso.or.jp/lease_target_instrument
※型番検索サイトの掲載情報はメーカーからの出荷時の製品情報であり、補助金の申込に際しては実際に最終的に導入される製品が基準を満たす必要がある。 - 低炭素投資促進機構の検索データベースにESGリース促進事業に係る情報が掲載されておらず、掲載を希望される場合は、環境金融支援機構まで連絡すること。
※型番情報の検索データベースは、低炭素投資促進機構のホームページ内を経由して閲覧することになっていますが、低炭素投資促進機構は経済産業省
によるリース信用保険の指定法人であり、本事業とは一切関係がありません。
くれぐれも本事業のお問い合わせについて低炭素投資促進機構へご連絡することがないようお願いします。
※指定リース事業者は補助金申込対象機器が環境省の定める基準を満たしていることを、自らの責任で確認する必要があります。
補助金のスケジュール
要件の内容
補助金交付申請書類受付期限 | 令和6年3月15日 |
---|---|
補助金実績報告書類受付期限 | 令和6年3月19日 |
- 補助対象機器の借受証が、令和6年3月19日までに発行される見込みであることとします。
- なお、指定リース事業者への補助金の交付日程は以下の通りです。
実績報告書の提出日 | 補助金額の確定日 | 補助金交付日 |
---|---|---|
~令和5年6月16日 | ~令和5年6月28日 | ~令和5年7月31日 |
~令和5年9月15日 | ~令和5年9月29日 | ~令和5年10月31日 |
~令和5年12月15日 | ~令和5年12月19日 | ~令和6年1月31日 |
~令和6年3月19日 | ~令和6年3月19日 | ~令和6年3月28日 |
- 上記の受付期間を過ぎた提出書類については、原則受け付けられないので注意のこと。
- 上記受付期間内に提出された書類であっても、記載内容等の不備から審査に時間を要する場合については、補助金の交付がなされないことがあり得る。
補助金の交付申請に必要な書類
補助金交付申請書
- リース契約書の写し
- 特約又は覚書等の写し(リース先のリース料低減につながっている旨の特約が締結されている契約であること。)
- 対象機器の見積書の写し
- ESGリース促進事業補助金利用申込書の写し
- 導入機器の基準適合チェックシートの写し
- 導入機器の基準適合確認の際に使用した資料の写し
- (補助対象機器が複数台あり、かつ補助金交付申請書の対象機器欄に複数行入力する場合)機器別取得価格、リース総額の計算根拠資料の写し
- (補助金対象外費用を含むリース契約の場合)補助金対象外費用の計算根拠資料の写し
- 適格要件、加点要件を補足する証憑・契約先のESG要素を考慮した取組方針が確認できる資料
- リースバック取引の場合は、3ヵ月以内の取引とわかる証憑
補助金実績報告書
- 借受証又は検収調書又はこれに類する書類の写し
補助金受領後の注意事項
- 指定リース事業者は、以下の事由が発生する場合は、速やかにリース契約変更届を環境金融支援機構に提出する必要があります。
- 補助対象となるリース契約の要件を満たさなくなった場合
- リース契約期限の利益を喪失した場合
- リース契約を合意解約した場合
- その他、補助金交付後リース契約の内容変更が生じた場合
補助金交付決定の取消し、返還、罰則等について
指定リース事業者は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号)並びに環境
金融支援機構が定める補助金交付規程及び補助金申請の手引きの定めるところに従って下さい。これらの規定に違反する行為がなされた場合、次の措置が講じられ得ることに留意して下さい。
1)交付規程第17条の規定による交付決定の取消し及び補助金等の返還・加算金の請求。
2)指定リース事業者の指定取消の公表。
なお、本制度の補助金返還義務はリース契約の全期間において指定リース事業者が負うこととなります。
ESGリース促進事業の補助率一覧表
(令和5年度)
専ら産業の用に供される以外の脱炭素機器
機器分類 | 対象機器 | 補助率 | ||
---|---|---|---|---|
基準補助率 | 特に優良な取組 | 極めて先進的な取組 | ||
熱源設備 | 高効率蒸気ボイラ(※1)
高効率温水ボイラ(※1) |
3% | 基準補助率+1% リース先若しく は指定リース事 業者のいずれか がESG要素を 考慮した優良な 取組を行って いる場合 |
基準補助率+2% リース先及び 指定リース事業者 の両者がESG 要素を考慮した 優良な取組を 行っている場合 |
熱電併給型動力装置 高効率業務用ガス給湯器 燃料電池設備 |
4% | |||
厨房設備 | 高効率業務用厨房設備 | 4% | ||
空調用設備 | 高効率吸収式冷凍機 高効率吸収式冷温水機
廃熱投入型吸収式温水機
高効率ヒートポンプ熱源機
高効率業務用エアコンディショナー
蓄熱式空気調和装置
氷蓄熱式空気調和器
冷媒用コンデンシングユニット
高効率ガスエンジンヒートポンプ |
4% | ||
業務用冷蔵設備 | 高効率業務用冷凍冷蔵庫
高効率ショーケース |
4% | ||
医療画像機器 | 磁気共鳴画像診断装置 医用X線CT装置 診断用X線装置 診断用X線画像処理装置 診断用核医学装置及び関連装置 超音波画像診断装置 医用内視鏡 |
4% | ||
厨房設備 | 高効率業務用厨房設備 | 4% |
専ら産業の用に供される脱炭素機器
機器分類 | 対象機器 | 補助率 | ||
---|---|---|---|---|
基準補助率 | 特に優良な取組 | 極めて先進的な取組 | ||
エネルギー 変換設備 |
高効率電動機 高効率変圧器 |
2% | 基準補助率+1% リース先若しく は指定リース事 業者のいずれか がESG要素を 考慮した優良な 取組を行ってい る場合 |
基準補助率+2% リース先及び指 定リース事業者 の両者がESG 要素を考慮した 優良な取組を 行っている場合 |
産業用機械 (工作機械) |
高効率切削加工機 高効率研削盤 高効率特殊加工機 |
1% | ||
産業用機械 (工作機械) |
高効率液圧プレス
サーボ駆動式機械プレス
高効率鍛造器 |
1% | ||
射出成形機 | 高効率射出成形機 | 1% | ||
熱源設備
(工業炉) |
高効率燃焼式工業炉
高効率電気式工業炉
断熱強化型工業炉
原材料予熱型工業炉
高性能工業炉廃熱回収式燃焼装置 |
2% | ||
産業用機械 (鋳造機械) |
高効率生型造型機 高効率砂処理機械 高効率中子除去装置 高効率溶解設備 |
2% | ||
省エネルギー型ダイカストマシン | 2% | |||
建設機械 | 低燃費型建設機械 | 2% |
運輸部門の脱炭素機器
機器分類 | 対象機器 | 補助率 | ||
---|---|---|---|---|
基準補助率 | 特に優良な取組 | 極めて先進的な取組 | ||
自動車 | 電気自動車(※2) 燃料電池自動車 |
4% | 基準補助率+1% リース先若しく は指定リース事 業者のいずれか がESG要素を 考慮した優良な 取組を行ってい る場合 |
基準補助率+2% リース先及び指 定リース事業者 の両者がESG 要素を考慮した 優良な取組を 行っている場合 |
4% |
※1)都市ガス、LPガス以外は対象外
※2)搭載された電池で駆動される電動機のみを原動機とする車検証の交付を受けた自動車、側車付二輪自動車、原動機付自転車、軽自動車に該当する二輪自動車